パズルを上から眺める智慧
今年亡くなられた理論物理学者のスティーブ・ホーキング博士は既存の科学の帰納的アプローチについて、以下のようなことを述べていました。
「宇宙全てはお互い依存してつながりあって関係性を持っているという全体性がある。
それがこの宇宙の実態なのに、それを人間が恣意的に、部分の理論を引っ張り出して全体に到達しようとしても間違っているだろう。」
今までの科学は電磁力や重力、水と火、光と風、物質と生命など様々な部分の現象を分けて、それらをつなぎ合わせることで究極のマスター方程式に到達できるはずと追求してきました。
パズルに例えると、部分と部分のパーツがたまたま繋がっても全体の絵が見えないので、どこのポジションに配置するのが適切なのか分からない状態なのです。
ホーキング博士は答えにたどり着くには、今までの科学のように部分から入るのではなく、全体から入る演繹的アプローチが必要なのではないかと言っています。
これは科学に限らず、人間関係や組織づくりでも同じことが言えます。
組織の構成員同士の関係性からくる問題を、部分だけピックアップしてみるのではなく、組織の全体像をしっかりと理解したうえで、その問題、その現象にはどのような意味があるのかをイメージできることが重要です。
認識技術は最先端の科学技術であると同時に、最先端の組織コンサルの技術でも有ります。
全てをオールゼロ化したところから、全体の模様を観察できる技術なのです。
部分をつなぎ合わせるような従来の組織コンサルではなく、その組織の哲学レベルから構成員一人一人の人生まで、全体から全ての要素を首尾一貫して整理整頓するコンサルティングを可能にします。
パズルを上から眺めてゴールの絵をイメージできれば、全てを無駄なくスッキリとつなぎ合わせて行く智慧を持てるのです。