観点の異質性-同質性

② 観点の異質性-同質性

観点は、自分の周りの環境から五感覚の脳が受け取った情報データの蓄積によって形成されていきます。

 

環境には、家庭環境、地域環境、社会環境、時代環境など様々な要因が含まれる。その中でも、0〜6歳までの間に、家庭で両親や兄弟が発する言葉や表情、態度を目や耳、皮膚で受け取りながら脳に蓄積する情報データが1番大きな影響を及ぼします。

さらに、その地域、その社会、その時代ならではの情報データを脳は受容し続けるのです。

 


世代や環境の条件によって作られる観点は全く異なるものになっていくため、皆それぞれ観点が違う、という〝異質性〟が必ず生じます。

 

そして、違えば違うだけ、様々な意見が出て複雑になり、摩擦や衝突が起きてしまう。

だからといって、強制的な権力や暴力、財力などの力の論理で誰かの観点に無理矢理服従させて、〝同質性〟の観点を持たせようとしても問題になります。 


皆が同質の観点になったら、争いは無くなるかもしれないが、相手の立場と尊厳性を破壊してしまい、憎しみや怨念のもとになってしまう。また、ロボットや機械のように人間性を喪失してしまい、社会全体としてはファシズムのような全体主義に陥りかねない。

 


このように違っても問題、同じでも問題なのですが、さらに観点が時々一致することがあり、そこにも問題が生じます。「分かってくれた、分かり合える」と思い込んで期待するが、人は条件によって違う観点に変化するので、変わった時に「裏切られた、信頼したのが間違いだった」など、自分勝手に失望してしまのです。